メルカリ決算解説|過去最高益達成!AI・Fintech・越境ECで次の成長へ【FY2025.6】
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- 2025年8月5日
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みなさん、こんにちは。今日はメルカリ社の決算説明資料を見ていきたいと思います。証券コードは4385です。今回の決算期は、2025年6月期(FY2025.6)。です。
まず、事業内容を見ていきましょう。メルカリの主力事業は、CtoCマーケットプレイス「メルカリ」、決済・与信サービスの「メルペイ」、そして米国事業の「MercariUS」です。「メルカリ」では、個人が不要になった商品を手軽に売買できるプラットフォームを提供しています。一方、「メルペイ」では、「メルカード」などを通じた後払い・クレジットサービスを展開し、Fintech領域での収益源を強化中です。さらに、「MercariUS」は北米における事業で、現在はブレイクイーブンを達成し、黒字化フェーズへ入っています。
外部環境である業界の課題としては、はい、皆さんこんにちは。まず、メルカリが属するCtoCマーケットプレイス業界では、現在いくつか大きな課題があります。一つは「成長の鈍化」です。日本市場ではユーザーの飽和や出品カテゴリの偏りが起きやすく、また海外展開、特に米国市場では競争が非常に激しく、シェアを取りにくい状況が続いています。さらに、Fintech領域では与信リスクや貸倒リスクのコントロールが求められ、規制対応や資金調達力の差が明暗を分ける要因になっています。つまり、事業をただ拡大するだけではダメで、「収益性」と「成長性」を両立させながら、いかに安心・安全な取引環境を提供できるかが、今後の競争優位を握るカギとなっています。
メルカリ社の強みは、メルカリの最大の強みは、国内最大級のCtoCプラットフォームとしてのユーザー基盤と、各事業間のシナジーです。具体的には、メルカリのMAU(月間アクティブユーザー数)は1,800万人を超え、そこから「メルペイ」や「メルカード」へとクロスセルできる導線がすでに構築されています。また、AI活用による不正取引の抑止や、出品時のUX改善にも積極的で、プロダクトの進化を止めていません。
競合優位性は、競合他社と比べてメルカリが抜きん出ているのは、①日本発であることによる越境取引でのブランド力、②AI-NativeCompanyへの進化によるプロダクト&組織の両面での効率性、③Fintechとの強力なクロスセルです。特に、越境取引では日本のホビー・エンタメカテゴリにおいて海外需要が強く、GMV(流通総額)は3年で15倍に伸びています。
ビジネスモデルは、メルカリのビジネスモデルは、大きく3つの柱で成り立っています。「Marketplace事業」「Fintech事業」「US事業」ですね。まず「Marketplace」は、皆さんご存知のフリマアプリ「メルカリ」が主役。ユーザーが不要品を売って、他のユーザーが購入する――つまり、CtoC(個人間取引)のプラットフォームです。売買が成立すると、出品者から販売手数料を徴収するのが基本的な収益モデル。ただそれだけではなく、最近では「BtoC」取引や「越境取引(海外販売)」も成長エンジンになっていて、企業や海外ユーザーもターゲットにしています。次に「Fintech」ですが、これは「メルペイ」を通じて提供される金融サービスです。「メルカード」というクレジットカードを出していて、これが急成長しています。発行枚数は500万枚を超え、ユーザーの後払い需要に応える形で、与信ビジネスもどんどん拡大中。クレジット利用の残高が伸びていくことで、利息や手数料という形で安定収益につながっています。そして3つ目が「US事業」。こちらは米国市場でのフリマアプリ展開ですね。まだまだ日本ほどの規模ではないですが、今期ついに通期黒字化を達成しました。手数料の取り方を見直したり、不正利用対策を強化したりと、地道な改善の積み重ねで黒字化に成功しています。このように、コアのフリマ事業を中心に、金融と海外の2つの事業が強く連携していて、全体として安定したビジネスモデルになっているのがメルカリの特徴です。
続いて、将来の成長性を考えていきます。まず、将来の業界課題について、今後の業界課題についても触れておきましょう。CtoC市場はすでに成熟フェーズに入っており、「出品数」や「取引活性度」をいかに高めるかが課題となります。ユーザー数は一定数いるものの、アクティブに取引する人が減ってしまうと、売上も手数料収入も頭打ちになります。また、越境取引についても、物流や言語、決済の壁をどう乗り越えるかがカギになります。BtoC型の事業者出品を拡大していく上で、法規制や現地対応の負担も増してくるため、これをテクノロジーでどう乗り越えるかがポイントです。Fintech領域では、今後、信用リスク管理や不良債権への対応がますます重要になります。特に、クレジットカードの利用拡大と共に与信判断の高度化が求められますが、メルカリはすでに「AI与信」を導入しており、そこに勝機があると見ています。
成長戦略は、さて、ここからはメルカリの「成長戦略」について詳しく見ていきます。メルカリは2027年6月期までの中期経営方針として、「売上収益のCAGR(年平均成長率)2桁」「コア営業利益のCAGR25%以上」という、かなり高い成長目標を掲げています。この目標を実現するために、メルカリが掲げているのが「AI-NativeCompanyへの進化」です。つまり、単にAIを使うのではなく、「AIを前提に会社そのものを設計し直す」というアプローチです。たとえば、エンジニアの開発工数の中で、AIによって自動生成されたコードの比率は前年比+64%。さらに、AIチャットサポートの導入や出品サポートの自動化など、顧客体験そのものにもAIが組み込まれてきています。また、事業領域別で見ると、3つの成長ドライバーがあります。1つ目は「越境取引」。現在、日本から海外に向けた取引が急増しており、FY2025.6の越境GMV(流通取引額)はなんと約900億円。3年間で約15倍にまで伸びています。特に人気が高いのが日本のエンタメ・ホビーカテゴリ。これを受けて、台湾・香港で自社越境取引の展開を開始しました。2つ目は「Fintechの拡大」。メルカードの発行枚数は500万枚を超え、「メインカード化」を推進中。また「メルカードゴールド」などの高付加価値商品や、分割払い・定額払いの提供範囲も拡大中です。将来的には日常の決済における定番サービスに育てることで、収益の柱にしていきます。そして3つ目は「US事業の再成長」。一度成長鈍化していた米国事業ですが、CEOの山田氏が自ら現地のCEOも兼任する形に切り替え、戦略を大きく見直しました。新しい手数料モデル、UX改善、不正利用対策の強化などを通じて、GMVの成長トレンドが回復傾向にあります。このように、AI、越境、Fintech、USといった複数の成長レバーを同時に引くことで、メルカリはこれからも持続的な成長を目指していきます。
業績計画は、FY2026.6期の業績予想についてですが、ここでは「仕込みの年」として位置づけています。売上収益は2,000〜2,100億円、コア営業利益は280〜320億円を見込んでおり、成長率としては前年比+4〜9%とやや控えめ。ただし、下期偏重型の構成となっており、AIへの積極投資やフロア移転等で前半はコストが先行する見込みです。Fintechについては、メルカードの会員獲得とメインカード化が引き続き鍵となります。与信ビジネスの拡大とともに、金融収益を安定的に積み上げていく計画です。Marketplaceでは、プロダクトのコア体験強化、エンタメホビー分野での越境強化、さらにBtoC出品の拡大を中心に、GMVYoY+3〜5%成長とコア営業利益320〜360億円を目指します。US事業については、すでに黒字化を達成していますが、FY2026.6では「ブレイクイーブンの維持」を前提としつつ、GMV成長トレンドをさらに加速させていく構えです。要するに、「仕込む年ではあるが、着実に土台を強化している」というのがFY2026.6のメッセージです。

前半部分の最後として、事業から生まれる結果である業績を見てきいきましょう。ここではFY2025.6期の実績について詳しく見ていきましょう。まず連結の売上収益は1,926億円、前年比で+3%。ただし、広告宣伝ポイントの会計処理変更による調整を考慮すれば、実質的には+4%の成長ということになります。注目すべきはコア営業利益。これが275億円で、前年比+46%という非常に高い伸びを記録しました。営業利益率も38%、さらに「メルカリハロ」を除いた場合には43%と、かなり高い水準です。事業別で見ると、Marketplaceが45億円のコア営業利益、Fintechはなんと130億円超、そしてUS事業も9億円の黒字を達成。Fintechは売上収益こそ調整後で+30%程度の伸びでしたが、営業利益の成長率が驚異的で、債権残高も32%増と、金融事業としての基盤が急成長しているのがわかります。さらに特筆すべきは、AIを活用した業務効率化やプロダクト改善によって、エンジニア1人あたりの開発量が前年比で+95%になったという点。これは「AI-NativeCompany」としての本格的な進化が業績にも寄与している証拠です。

後半は、今回の決算内容を詳しく見ていきます。今期のトピックス1つ目は、AI-NativeCompanyとしての進化が本格化。2025年度は、まさにメルカリが「AI前提で動く会社」へと進化した年でした。AIによるコード生成、カスタマーサポート、商品出品の自動化など、ほぼすべての業務プロセスでAIが組み込まれてきており、従業員のAIツール利用率は70%、エンジニア1人あたりの開発量は+95%と驚異的です。単なる生産性向上にとどまらず、プロダクトの質も向上しており、今後の競争力の源泉になっていくと考えられます。
今期のトピックス2つ目は、越境取引の成長とBtoC出品の拡大。越境GMVは過去3年間で約15倍に成長。現在、取引の6割を占めているのが「おもちゃ・フィギュア・グッズ」などのエンタメホビーカテゴリです。日本のIPコンテンツは海外での需要が非常に高く、メルカリはこの強みを活かして台湾・香港での展開を開始しました。さらに今後は、企業による「BtoC出品」を積極的に推進することで、流通総額をさらに引き上げる狙いです。
今期のトピックス3つ目は、米国事業が黒字化を達成し、成長トレンドへ。最大のニュースのひとつは、米国事業がついに通期黒字化を達成したこと。これまで赤字が続いていたUSですが、CEO自らが現地トップとなり、手数料モデルの抜本的見直しや不正対策の強化などで大きく改善。GMVも成長トレンドに回帰し、今後は本格的な再成長フェーズに入ると見られます。
ここまで総括すると、主要ポイント1つ目は、AIを活用した組織とプロダクトの抜本的変革によって、生産性と収益性の両立に成功。AIは「使うもの」から「前提になるもの」へ。
主要ポイント2つ目は、越境取引とBtoC出品の拡大によって、新たな市場を開拓。日本の強みであるエンタメ・ホビー分野を武器に、海外でもメルカリブランドを確立。
主要ポイント3つ目は、US事業が通期黒字化を達成し、グローバル展開における大きな転機を迎える。再成長に向けた布石が打たれ、次のフェーズへ。
ここまでメルカリ社の決算説明資料の解説をご視聴いただき、ありがとうございました!これからも決算について、わかりやすくお伝えいたしますので、引き続き、何卒よろしくお願いいたします!


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